「お前がさ、父親に反発してるのには
なんとなく気づいてたけど

親が医者だから
周りからの期待が大変なんだろうな、

とか

プレッシャーに感じてるんだろうな、

とか

その程度にしか思ってなかった。


だから、
うち妹のことも話しにくかった。

まさか
お前がそんなことを考えてたなんて
思いもしなかった。

感謝してるんだよ。佐伯先生に。」



蒼介さんはそう言って、
優しく笑った。