獣系男子×子羊ちゃん

「お兄ちゃん?!」


振り向くと
そこに立っていたのは

背の高い黒髪の男の人。



「…あ…蒼介さん。」


校門横に寄りかかっていたのは
蒼介さんだった。


「一樹が昨日から
自宅に戻ってないって本当か?

一樹と連絡がとれないって
お前の親から学校に連絡があったって」



ふいに、お兄ちゃんの名前をだされて
一日、なんとか堪えていたものが、
溢れ出てしまった。


止まらない涙に声が、でない。


「おい、ここはまずい。こっちこい。」


そっと手首をつかまれ、
校舎を背にして
駅の方向へと連れて行かれる。


背後から湧き上がる驚きの歓声は
私の耳には全く届かない。