獣系男子×子羊ちゃん

黙って固まっているモモに
何て言葉をかければいいのか
わからない。


自分で傷つけておいて、

どうしようもなく
残酷な自分に腹が立つ。


こんなことが言いたいわけでは
なかった。


しばらく下を向いて黙っていたモモが
ゆっくりと顔をあげる。



「蒼介さん。もう、送迎は大丈夫。

蒼介さんに彼女ができたら
こんなの…嫌だと思うし。

もう、変なメールもこなくなったから。
今まで無理させて、ごめんなさい。」



少し寂しそうに笑いながら言った
モモの言葉になおさら苛立ち、

もう
モモを傷つける言葉しか出てこない。


昨日のモモの姿がチラつく。


「あんなん、別に彼女じゃねぇし。
お前の彼氏づくりの
邪魔になるから嫌なんだろ?

これからは
新しい彼氏に送ってもらえば
いいんじゃん?

お前といるとマジで疲れるし、
俺もいいかげん送るの飽きたし。」



もう、誰に何を言っているのか
わからなくなっていた。


どうしてこんなに
モモを傷つける言葉ばかり
出てきてしまうのかわからなかった。

止めたいのに止まらない。


「ごめんなさい。」


下を向いたまま小さく謝るモモを
思い切り抱き締めることができたら
どれだけいいだろう。


それなのに口からでてくるのは
思いとは裏腹な残酷な言葉ばかり。


「なんで、謝んの?意味わかんねぇ。

そうやって謝れば、男はなんでも
許してくれるとでも思ってんの?

お前みたいな女、本気でウザい。」



「迷惑かけて…あの、ごめんなさい。

これからはお兄ちゃんに
送ってもらうから、あの、ホント…」



泣きそうになりながらも
ぎこちない笑顔を作って口にした

「お兄ちゃん」

というモモの一言で自分の中の

なにかが

壊れた。


濃くて黒い闇のなかに放り出された
まま、苦しくてたまらない。


モモをめちゃくちゃにしてしまう。
もう、コントロール出来ない。