その日は蒼介さんではなく、
お兄ちゃんが駅で待っていた。


「悪いな、モモ。急に。」


「そんなことないよ。嬉しいよ。」


そして、珍しく
お兄ちゃんからお茶に誘ってくれた。



家では見られないお兄ちゃんの笑顔。

久しぶりにお兄ちゃんと
ゆっくり話すことができる。


学校のこと。

友だちのこと。

金色の髪をサラサラとさせて
私の話を楽しそうに
聞いてくれるお兄ちゃん。


ニコニコと優しい笑顔で
私を見つめてくれるお兄ちゃん。