お兄ちゃんの話を聞きながら
全身の体温が

どこまでも

どこまでも

下がっていくような気がした。



でも、その一方で、



恐ろしいほどに
全てがストンと理解できた。


お兄ちゃんが私に向けるのと変わらない

蒼介さんの

愛情に満ちた深いまなざし。

一緒にいて感じられる安心感。


「彼女?」


ときかれて、


「妹。」


と、とっさに答えたときの
蒼介さんの柔らかい表情。


とても愛おしいものに
触れるかのような蒼介さんの仕草。