「蒼介はさ、いいやつなんだけど
毎日だれかを送迎するようなタイプじゃ
ないんだよな。

彼女がいたときだって、
面倒くさがって
全然会ってなかったしな。


でも、あいつ、モモのことは
毎朝、家まで迎えにきて、

帰りはわざわざ
学校の近くまでお前のこと迎えに行って

それで、家まで送ってくれてんだろ?

俺さ、さすがにそこまでは
悪くて頼んでねぇんだよ。


あいつんち、3つ先の駅だから、
一緒に電車乗ってやってほしいとは
言ったんだけど。


まさか、毎日家まで送迎してくれるとは
思ってなかったから、
正直、俺も驚いてる。


きっとモモのこと、自分の妹みたいで
ほっとけないんだろうな。


俺がモモのこと、
心配したり可愛がったりするのが
すごくよくわかるって

あいつ、
めちゃくちゃ嬉しそうに言うんだよ。

お前のこと話してるとき、
蒼介、すごく楽しそうなんだよな。


お前を自分の妹みたいに
可愛がってくれててさ。

俺はすごく蒼介に感謝してるよ。」



目を細めて、優しく笑うお兄ちゃんを
ただじっと見つめる。