獣系男子×子羊ちゃん

小さなテーブルだから、
蒼介さんがこちらを向くと
顔がとても近くなる。


そのたびに
顔が真っ赤になってしまい、
蒼介さんに見られないように
そっと目を背ける。



ドキン ドキン ドキン…


このままでは心臓がもたない…。



「お前、顔赤くないか?
具合、悪いのか?」



「ううん。大丈夫。」



なるべく目を合わせないように
首を振る。


本当は全然大丈夫じゃないんだけど…



しばらくすると、
蒼介さんは長い指をからませて
私の前髪をさわりはじめた。


私の前髪に、
触れるほど近くまで鼻を近づけて


「モモのにおいだ。」


と微笑む。


運ばれたコーヒーには全く手をつけず、
ケーキを食べている私を
じっと見つめている。


蒼介さんの目の奥に灯る優しいひかり。



演技、演技、
これはストーカー対策の
蒼介さんの演技なんだからっ。


そう自分に言い聞かせる。



ドキドキして
震えそうになる指先に力をいれて、
必死に普通を装う。