幸せの花が咲く町で





「ほ、本当に良いの!?」

「うん、とにかく早くお店を借りて!
良い物件なんでしょ?他の人に先に借りられたら困るから。」

「うん…明日、早速契約してくるよ。」



智君も半ば諦めてたみたいで、お金を渡したらすごく驚いたような顔をしていた。



やり遂げた……


私は自分でも驚くくらい大胆になれて、そして、ついに高い壁を乗り越えた。
智君との結婚に大きく近付いた。



悪いことをしたというのに、私の中にはそんな充実感のようなもので満たされていた。



「かおり……このお金、どうしたの?」

「そんなこと、気にしなくて良いの!」

もう手元にはほんの少ししかないどころか、これからは借りたお金の返済もあるというのに、私は無理をしたわけではなく、本心からそんな言葉を口にしていた。
智君の力になれたということが、まるで誇りのように感じられて、私はとにかく気分が良かった。



「ずいぶん無理したんでしょう?」

「だから~…智君は、そんなこと気にしなくて良いの!」



心の中が薔薇色に染まってた。
最高の気分の中で智君に抱かれ、幸せで…幸せで…天にも舞い上がってしまいそうなくらいだった。