「……そんなこと……」
それは衝撃的な話だった。
智君はお母さんと二人暮らしで、お母さんはお店をやってるっていうことは以前から聞いてたけれど、お母さんは今、病気で入院していて、智君は夜中のバイトまでして、お母さんの治療費を稼いでるということだった。
以前、智君が、お金がないと言ってた理由がようやくわかった。
「恥ずかしい話なんだけど、僕の親父はろくでもない人でね…
ギャンブルと女と酒が大好きで、多額の借金を残して、あっさり逝ってしまった。
その後、僕と母さんはその借金を返すために、ひたすら働いた。
一日も休まずに、がむしゃらに働いたよ。
その甲斐あって借金もあと少しで完済出来るって所までこぎ着けたんだけど、そんな時に母さんが倒れてね……
母さんもきっと無理してたんだね。
お店の売上もなくなるし、でも、家賃は払わないといけないし、治療費はかかるし…バイトくらいじゃなかなか追いつかないんだ。
母さんは、店を手放すとか言い出してるんだけど、それだけは出来ない。
あの店は母さんの母さん…つまり、僕のおばあちゃんが始めた店で、母さんにとってはとても思い出深い店なんだ。
おばあちゃんは、店をしながら女手一つで母さんを育てたんだって、よく話してくれたし、お店でお客さんと話をするのが母さんの生きがいだからね。
あの店がなくなったら、母さんの生きがいはなくなってしまう。
そんなことは、絶対に出来ないよね……」
智君がお母さんのことをどんなに大切に想ってるかがよくわかり、私は胸が熱くなった。
お金を稼ぐための働きづめの毎日が、ある日とても辛くなって、ふと人恋しさからメル友サイトをのぞいた時に私をみつけたと、智君は話した。
「僕は弱いから、時々どうしようもなく心細くなってしまうんだ。
最近はとにかく休みなく働いてたから、疲れていたのかもしれない。
なにもかも投げ出したい気持ちにも、度々襲われた。
そんな中で、かおりとのメールのやりとりは本当に楽しくてね……
君とメールをしている時だけはいやなことを何もかも忘れられた。
君にはどれだけ救われたことか……」
「私なんて、何も……
智君のそんな事情も何も知らなかったし……」
「君には話すつもりはなかった。
本当は会うつもりもなかったんだ。
今の僕には、誰かを好きになる資格なんてないんだから。」
そう言って、智君は唇を噛み締めた。
それは衝撃的な話だった。
智君はお母さんと二人暮らしで、お母さんはお店をやってるっていうことは以前から聞いてたけれど、お母さんは今、病気で入院していて、智君は夜中のバイトまでして、お母さんの治療費を稼いでるということだった。
以前、智君が、お金がないと言ってた理由がようやくわかった。
「恥ずかしい話なんだけど、僕の親父はろくでもない人でね…
ギャンブルと女と酒が大好きで、多額の借金を残して、あっさり逝ってしまった。
その後、僕と母さんはその借金を返すために、ひたすら働いた。
一日も休まずに、がむしゃらに働いたよ。
その甲斐あって借金もあと少しで完済出来るって所までこぎ着けたんだけど、そんな時に母さんが倒れてね……
母さんもきっと無理してたんだね。
お店の売上もなくなるし、でも、家賃は払わないといけないし、治療費はかかるし…バイトくらいじゃなかなか追いつかないんだ。
母さんは、店を手放すとか言い出してるんだけど、それだけは出来ない。
あの店は母さんの母さん…つまり、僕のおばあちゃんが始めた店で、母さんにとってはとても思い出深い店なんだ。
おばあちゃんは、店をしながら女手一つで母さんを育てたんだって、よく話してくれたし、お店でお客さんと話をするのが母さんの生きがいだからね。
あの店がなくなったら、母さんの生きがいはなくなってしまう。
そんなことは、絶対に出来ないよね……」
智君がお母さんのことをどんなに大切に想ってるかがよくわかり、私は胸が熱くなった。
お金を稼ぐための働きづめの毎日が、ある日とても辛くなって、ふと人恋しさからメル友サイトをのぞいた時に私をみつけたと、智君は話した。
「僕は弱いから、時々どうしようもなく心細くなってしまうんだ。
最近はとにかく休みなく働いてたから、疲れていたのかもしれない。
なにもかも投げ出したい気持ちにも、度々襲われた。
そんな中で、かおりとのメールのやりとりは本当に楽しくてね……
君とメールをしている時だけはいやなことを何もかも忘れられた。
君にはどれだけ救われたことか……」
「私なんて、何も……
智君のそんな事情も何も知らなかったし……」
「君には話すつもりはなかった。
本当は会うつもりもなかったんだ。
今の僕には、誰かを好きになる資格なんてないんだから。」
そう言って、智君は唇を噛み締めた。



