幸せの花が咲く町で





「おいしいね、これ!」

「良かったね、こた。」

好物のハンバーグをほおばりながら、小太郎がにっこりと笑った。



「このあたり、すごく便利だね。
駅からはちょっとあるけど、でも、スーパーもコンビニもファミレスも近いし、ホームセンターも近いって話だよ。」

「駅もそんなには遠くないよ。
15分くらいだから。」

「うちは、駅だけは近かったからなぁ…」



だいたいのものは揃ってると思ってたけど、細々したものを見ていたら、僕となっちゃんの両手はみるみるうちに荷物でいっぱいになっていた。
家に帰って作るのも大変だから、僕らは近くのファミレスで夕飯を済ませた。



「明日、荷物がついたら、ホームセンターに行ってみようよ。
自転車、買わない?」

「そうだね。
あると便利だね。」

「僕も自転車ほしい!」

「よしっ!こたにも自転車かってやる!」

「やったーー!」



ここへ来るのは、本当は気が進まなかったけれど、いざ来てみると、そんな気持ちがどこかへ消えてなくなっていた。
父さんと母さんが選んだこの町……
暮らしたのは短い間だったけど、二人が気に入って移り住んだこの町……



(僕達は、ここで新たな生活を始めるんだ……)


そんな小さな決意のような想いが、僕の中に芽生えるのを感じた。