幸せの花が咲く町で

寝室から出てきた小太郎が、僕の異変に怯えたのか、同じように大声で泣き出して、なっちゃんは小太郎をなだめてたけどなかなかあいつも泣き止まなくて……



その時、ドアのチャイムがけたたましく鳴って、なっちゃんが出て行くと、今度はなんだか言い争うような声がして……







「ママ、このハンバーグ、おいしいね。」

「最近の冷凍食品は本当にたいしたもんだね。」

「優一、明日、またスーパーに行こうよ。」

「う、うん。」



泣いたりわめいたり、無茶苦茶やったせいか、僕はものすごくお腹がすいていた。
顔は突っ張ってたけど、心はなんとなくすっきりしていて、久しぶりにごはんが美味しいと感じられた。



なっちゃんの言葉をそのまま受け入れられたわけではなかったけれど、その日から僕は自分の中でなにかが変わったような感覚を感じた。
苛々することも、体調の悪い日も少しずつではあったけど、でも、確実に少なくなっていった。
とはいっても、突然あの時に引き戻される日もあったし、僕のせいだと苦しくなる日もあった。
上がったり下がったりの日々を繰り返すうちに、僕となっちゃん親子の生活はもう半年が経っていた。



半年経っても、家の中は片付かないままだった。
僕も少しずつ片付けてはいたから、以前のように腐った食べ物が転がってるようなことはなくなったものの、要するに家の広さに対して荷物が多すぎるんだ。
収納に入りきらないものが多すぎる上に、さらに僕という居候が増えたんだから、それも仕方のないこと。
慣れたとはいえ、三人でベッドに寝るのも本当はいやだったけど、ベッド以外に横になれる場所は半年経ってもどこにも確保出来なかった。