幸せの花が咲く町で

*



「なっちゃん…亮介さんのことだけど……」

「あんた…もうわかってるんでしょう?」

「うん、なんとなく……」

「多分、その想像はビンゴだよ。」

「えっ!?いつから?」

「もうずいぶん前から……」


……やっぱりか。
両親の葬儀の時は、一応、知らせたら、来てくれたとのことだった。
なっちゃんは、小太郎を保育所に預けながら、働いているらしい。



「だったら休んでなんていられないじゃない。」

僕は自分のことを棚に上げて、そんなことを言っていた。
僕だって、働かなきゃ生きていけないのに……



「大丈夫。
蓄えもちょっとはあるし、いざとなったらお金はあるから。
手をつけたくはないんだけど。」

なんでも、亮介さんは生活費は毎月送ってくれているらしい。
だけど、世話になるのがいやで、そのお金には手をつけず、自分で働いたお金だけで生活していたらしいんだ。
意地っ張りのなっちゃんが考えそうなことだ。



「母さん達には、亮介さんのことは……」

なっちゃんは小さく首を振った。



「心配かけたくなかったからね。」



なっちゃんらしいとは思ったけど、そんなこと、ずっと隠しておけるはずもないのに。



「それよりあんた……」

なっちゃんは言いかけて、僕をじっとみつめた。



「あ…良い、良い。
話したくないなら、話さなくても良い。
でも、話したくなったら話して。」

なっちゃんは相変わらずせっかちだ。
そんな風に言われたら、僕にはもう何も話せない。
僕自身、話したいのか話したくないのか、話すとすれば何を話したいのか何もわからなかったけど……