幸せの花が咲く町で

*



「なに?あんた、それだけしか食べないの?」

「うん。」

まるで夕食のような量の朝食……僕に食べきれるはずはない。



「……優一、とりあえず、今日は病院に行こうか。」

「え……」

「だから……」

「行かない!
そ、そんなところ、行く必要なんてない!!」

急に感情が昂ぶり、僕が立ち上がり大きな声を上げたせいで、小太郎がびっくりして泣き出した。



「ご…ごめん。」

「こた、びっくりした?何もないない。
大丈夫、大丈夫!」

なっちゃんが、小太郎に頬擦りしながら抱きしめてなだめた。



「よっしゃ、わかった!
じゃあ、今日はぱーっとどっか遊びに行く?」

僕はゆっくりと首を振る。
悪いとは思ったけど、そんな気分ではなかったから。



「じゃあ……みんなでだらだら過ごそうか?」

「え……?」



その日は、本当に僕らはずっと家にいて、テレビを見たり、本を読んだり、ごく自由な時を過ごした。
それにしても、やけに散らかった部屋だ。
寝室もほとんど足の踏み場がない状況だったけど、リビングもかなりのものだ。
僕の部屋も最近は酷い有様だったけど、ここはそれを上回っている。
なっちゃんは、昔から確かに片付けは苦手だったけど、それにしても酷すぎる。



「なっちゃん…亮介さんは?」

「うん、まぁ、いろいろね。」


なっちゃんらしくない曖昧な返事……
この前からおかしいとは思ってた。
両親の葬儀には来たけれど、その後の法事の時には仕事で出張してるとかで来なかった。
詳しく聞いてみたい気もしたけれど、小太郎もいることだし、また別の機会にしようと思った。



「なっちゃん……今、仕事してるって言ってなかった?
行かなくて良いの?」

「いいの。当分休むって連絡しといたから。」

「えっ…当分って……」

「あんたは心配しなくて良いの!
そんなことより、お腹すかない?」

「え…あ、ま、まぁ……」

「じゃあ、なにか取ろうか。
えーっと、でも、どこに電話したら……」

「ピザならこのへんにもあるんじゃない?」