レッスンはアフターで

柚木も強引に吉良の手を払うと、吉良に話す隙も与えないまま歩き出した。


「愛奈!考えておいて!」


背後から聞こえる声に振り向くこともない。今更、何を考えているのか。何を考えろと言うのか。どんなに愛していると好きだと言われても、もう…。


「今日はレッスンどころではないだろ。こっち」


柚木に言われるまま、黙って併設のレストランに入った。


この時間はお客が少ないが、イケメンマネージャーと二人きりというのが注目を集めている。


「待ってろ」


無理矢理椅子に座らせ、柚木は一旦厨房の方へ向かった。


女子しかいないこの空間に、男の声は響き目立つ。何を言われているかなど、周りの耳にも届いただろう。


「命令形?イメージと違うね」
「訳ありかなぁ?」
「彼女?だったらなんかショックかも」


もう!迷惑かけないように頑張ったのに水の泡じゃない!


そう思うも、無理矢理でも連れ出してくれて嬉しいなんてどうかしてる。