レッスンはアフターで

頭を下げて、最早言い逃げ。まだ何かを言っている川北さんに背を向けて走った。


もし長引いて、ここに吉良が入って来たら私の嘘がバレちゃう。そうなれば、此処にも迷惑がかかってしまうと慌てていた。


順一さんが居たら、吉良が来たとわかるかもしれない。駅までの間で、電話がくるかもしれない。


兎に角、吉良がこれ以上何かを言ってきても、惑わされずにいたい。


無言で吉良に近付くと、さりげなく背中に添えられる手。


それだけでも吐き気が襲ってくるのを、何とか耐えて、駅に向かって歩き出す。


「なぁ。そんなに大股で歩くなよ。そんなに嫌か?俺のこと」


「嫌だって言ったら諦めてくれるの?もう二度と会いたくないと言う気持ちわかってくれるの?」


止めることのなかった足を、背中にあった手が肩を掴むことで、強制的に振り向かされて止められた。


暗がりでもわかる傷付いた顔。なんで、そんな顔をするの?傷付いていたのは私なのに。