レッスンはアフターで

こんな性格じゃなかった。昔の吉良は、もう少し、諦めが早かった。思うに、私に無関心でどうでもよかったように思う。


それが、今では、自己中なのは変わらないが、ここまで私に関心を示すなんて。


だからって、情に絆されるわけにはいかない。もう全て終わった過去のことだ。


「じゃあ、そこで待ってて。一歩でも動いたら話し聞かないから」


女王様かよと、自分にツッコミを入れつつ、吉良から了承を得ると、『SHIN1』に足を進めた。


受付には、あの時の川北さんがいた。


「ごめんなさい。今日の予約キャンセルさせて下さい。あと、申し訳ありませんが、これ、オーナーの森さんに婚約者からの預かりものを私が届けに来たと大至急渡して下さい」


「えっと、これ、あなたのですよね?前も、これ、持って来てたし」


カウンターの上に乗せたバッグ。シューズやウェアを詰め込んだバッグ。


「カバンはそうですが、中身が違います。兎に角、私、急がないといけないので、お願いします」