「だから、卒業まで絶対学校に
バレないようにしなさいって。」


なるほど…この教授
見かけによらず相当男前だ。
教壇でもこれだけ男前なら
もっと生徒集まるのに…


「あの…」


いきなり水嶋が口を開いた。
私は驚いて水嶋を見る。


「先日はありがとうございました。」


律儀にぺこりとお辞儀する水嶋。
そっか、この間の暴力事件の仲裁は
教授がしてくれたんだっけ。


「あぁ、清美から聞いてます。
竹内の執事をなさってるとか。
あの時の対応は
素晴らしかったですよ。」

ははははと笑う教授と対して
全く笑わない水嶋。
見なさいよ。
人間はこうやって笑うのよ。
そう言ってやりたかった。