「聞いて!私今日門限がないの!」

すごく嬉しそうに言う清美。

「え!?何で!?」

私はびっくりした。
あの門限厳守の清美が何故…


「あとで車で話すね。」


そう言ってニコッと笑った。

その横ではおどおどと
確実に不審者の教授。
そして私の横には能面顔のイケメン。
なんて異様な光景だろう。


待ち合わせ場所に来てくれたのは
ベンツのバンだった。
玲奈の彼氏の車だそうだ。


一番後ろの席に
水嶋と並んで座らされる。
水嶋が運転しない車に乗るのは
初めてだったし
ましてや隣に水嶋がいるなんて…

私の心臓はバクバク音を立てていた。


「初めまして
俺、玲奈の彼氏の一人
幸也(ゆきや)です!
今日一日運転手として
皆様のお命お預かりします。
よろしくね。」



彼氏の一人です!って挨拶
絶対おかしい。
でも、玲奈の彼氏だけあって
いい人って感じがした。