「ええー!
とうとう2人付き合ったのー?」

ランチタイムの食堂。
清美が周囲から視線を浴びるほど
大きな声を出した。

恭平が慌てて清美の口を塞ぐ。


「きよちゃん声でけぇよ!」


ふがふがもがく清美。


「いつになったら付き合うのかと
思ってたわよ。」

玲奈の言うとおり。
デートを重ねて
もう2ヶ月も経っている。

「菜々穂ちゃんが俺のこと
ちゃんと見てくれるまで
待ってたんだよ。」


やっと清美は解放されて
席に座る。


「俺3年も菜々穂ちゃんに
片思いしてたからさ。
ふられたくなかったし。」


恭平はそう言って、いただきます。と
両手を合わせてから
定食を食べ始めた。


「山崎も物好きよね。
こんなツンツンした
菜々穂がいいなんて。」


親友だからこそ吐ける玲奈の毒。


「俺Mだから。」


玲奈の毒を笑い飛ばして私の方を見る。
いつも恭平は同じテンションで
私たちを和ませてくれる。