「じゃあなー。」

「うん!じゃーね。」

家の前で別れようとすると、海斗が思い出したように振り返った。

「あっ…おい、葉月!」

「んー?」

「お前、もうすぐ誕生日だろ?」

そう。
私の誕生日は8月1日。
夏休みの真っ盛りで誰にも祝ってもらえない、悲しい誕生日だ。

「そうだけど…。今年は何くれんの?」

「なんだその言い方は。やらねぇぞ。」

でも、海斗と美玲が祝ってくれるんだ。

「何か欲しいものあんの?」

「何でもいいよ。」