空の彼方




いつも通りわたしと詩織も入ってストレッチをして、みんなは続けてフットワークをするとボールを持ち始めた。



「シュート練、10分!」



坂田先輩の指示を聞いて、わたしは急いでタイマーをセットしてスタートさせる。



みんなは4つあるゴールに適当にばらけてシュートをし始めたんだけど……



わたしは望月くんがどんなシュートをするか気になって仕方ない。



シュートをするフォームはみんな変わらないんだけど、それでもやっぱり1人1人個性があるから。



だからひょっとしたら向こうに気付かれちゃうかもしれないけど、じーっと彼がシュートをするのを待つ。




だけど、当の望月くんは肩を回したり、膝を伸ばしたり、曲げたりして入念に調整していて全然シュートする気配がない。



早く早くーー!わたしはこれから詩織と給水の準備しないとなのに!



そんな何も言わずにかじりついて見ているわたしに詩織は気付いたのか、望月くんがシュート一本したら行こうと言ってくれた。