「「ありがとうございました!」」



練習後。



部活が終わって相馬先生が教官室に入った後、望月くんも何だか深刻そうな顔をしながら



後に続いて教官室に入ろうか迷っていると、中田先輩が望月くんに声を掛けていた。



「望月!」



望月くんは教官室のドアノブから手を離して、後ろに振り向く。



「……何ですか?」



ちょっと構えた顏を浮かべる望月くんに中田先輩はいつもと変わらない表情。



「そんな顔すんなよ。別にお前に怒る気もどうこうする気もねぇよ。



今回のスタメン発表……最初は聞いてショックだった。



だけど俺は今回、悔しいけどお前に負けたんだ。



絶対3年生の先輩たちに後悔させるようなプレーはすんなよ!」



中田先輩はまっすぐ望月くんを見てそう言い切った。