どうしよう、いったいどうやって声を掛けたら気持ちを変えて練習に戻ってくれるんだろう。
望月くんのようにただ引き止めたって中田先輩は戻らないし……。
「あの、中田先輩……」
声を掛けてみた。
だけど、その後が全然何て言ったらいいか分からない。
「望月も早瀬も練習に戻れよ!引き止められたって俺の気は変わらないし」
歩き出そうとする中田先輩を望月くんは頑なに肩紐を持ったまま動かさせない。
「…………」
「でも……日にちが過ぎていくたびに中田先輩はきっとどんどん部活に行きづらくなっちゃいますよ!
先輩たちや相馬先生ともどんどん気まずくなってしまいます!
だからそうなる前に、今!一緒に体育館に行きましょうよ」
中田先輩だってこのことは分かってるはずなのにそれでもわたしも結局頭の中は引きとめることだけで
冷静になって他に引き止める言葉が見つからなかった。

