もともと練習を続ける素振りには見えなかったけど、
わたしのじーっと見てくる視線に気付いた望月くんはこっちを見た。
そして、わたしから視線を外すと……
「……先生、すぐ戻ってくるのでちょっとだけ抜けさせてください」
と敢えて中田先輩の名前を出さずにそう言って、望月くんは走って体育館から出て行った。
良かった!望月くん行ってくれた!
だけど、望月くんだけだと逆に今の冷静になれない中田先輩とケンカになってしまうかもしれない。
そう思ったらわたしはいても立ってもいられなくて……。
『詩織、わたしも行ってくる!』と行って望月くんの背中を追った。
相馬先生は望月くんの言った言葉には何にも反応せずコートを見つめて黙ったままだった。

