「わたしね、これが初恋だから、上手な恋愛の仕方が分からないの。もっと恋愛に詳しかったら、芽留ちゃんを泣かせずにすんだかもしれないね…」

「ちがっ、違うよ!さあやちゃんのせいじゃない!っめるが、めるが、

…っふ、うっ、

ごめっ、ん、ごめんねっ

っ゙、さぁ、や、ちゃん」





ふたりで抱き合って過ごした夜。泣き声で窓を叩きつける雨の音だけが、静かに響いた。



灯りのない暗い部屋に響く泣き声に胸が裂けそうになり、目を瞑れば、はらりと涙が頬を伝った。



繋がれた小さな手は温かく、まだ枕は濡れる。