突然出てきた彼女の名前に、智輝はやっぱりかと思った。 「…俺等が卒業する頃、旧校舎は壊された。元々解体工事する予定だったらしいからな」 「…へぇ」 「…俺等の思い出も全部、壊されたみたいだろ?」 自嘲的なする笑みを溢す飛鳥を横目で見る智輝は、いたたまれない気持ちになった。