「…芽留ちゃん…」 「さあや、ちゃん?」 「…」 「いったい、何が、」 傘も差さずびしょ濡れで家の前に立っているわたしを見て、震える声で言った。 「…」 「紗絢ちゃん、」 泣きそうな顔をする芽留ちゃんは玄関を出てわたしに近寄る。 濡れることも構わず、芽留ちゃんはそのまま外に出た。