「はあい!芽留でーす!現在、パパとママはおりませーん!勧誘ならお断りでーす!」 「…芽留ちゃん」 「んん?誰ですかー?」 インターホン越しに芽留ちゃんに呼び掛ける。 雨の音が酷く、声を聞き取りにくい。 「――…慰めて貰いにきちゃった」 そう呟いて、俯く。 それだけでわたしが誰か分かったのか、芽留ちゃんは少し間を空けた後「…ちょっと待ってね。」と言ってインターホンを切った。