「聞けよ!」 「…っ」 掴まれた肩が痛い。 「俺はずっと、紗絢のことが好きなんだよ…っ」 胸も、痛かった。 わたしは鈍いから、そんなこと、何も知らなかった。 飛鳥の事で精一杯で廣木君の気持ちになんて気付けなかった。 気付こうとしなかっただけなのかもしれない。 ただ無償の優しさをくれる廣木君に、甘えてただけなのかもしれない。