「…っえ」 手を引かれて気付けば、わたしは廣木君の腕の中。 震える身体を、ギュッと抱き締められた。 「誰を、待ってんの?」 待ち人は来ず、後ろめたさから今は廣木君を見ることすら辛い。 あんなに大事に握り締めていたピアスもいつの間にかポケットに隠されていた。 アメジストは、目が痛くなる。