思わずフッと自嘲する笑みが零れる。 「…わたし、馬鹿だから」 「…」 「…来ない人を、待ってるの」 「…」 「…また、信じちゃった」 何度、信じたのか。 飛鳥が浮気するたびに“次”を信じた。 もうしないだろうって。これで終わりだろう。きっと、飛鳥はわたしを愛してくれてるって。 諦めかけたけど、もう少し信じてみようと思った。 いや、違うか。諦めたから、最後に信じてみようと思った。 でも、結局は、信じることすら無意味で、本当にただの悪足掻きとなった。