しかしそんな飛鳥の足を、智輝は止める。 「だけどあの子は、逃げなかった」 あんな忠告をされた手前、言うのは気が引けた。 ほぼ死刑に近い自分の足場を、智輝は自分で崩す。 それもこれも、不器用な友達のために。 「さっき、電話あった」 「…あ?」 「お前の携帯に」 なにかを投げ付けられて、飛鳥は思わずそれをキャッチする。 投げられたのは、飛鳥の携帯電話だった。