「…退けよ」 「やだね。 女々しいお前にはもう限界」 かなり苛ついてるのか、にっこり笑いながらもその目は全く笑っていなかった。 「あの子のこと、好きなんじゃねえの?ならさっさと好きだって伝えに行けば?いちいち回りくどいんだよ、お前。何を怖がってんだよ」 「…怖い?」 「ああ。お前、怖いんだろ。好きすぎるあまり、あの子のことを壊さないか怖いんだろ」 「…寝惚けたこと言ってんじゃねえよ。帰るぞ」 「待てよ」 通り過ぎようとした飛鳥の手を、智輝が掴む。