ヒラヒラ
ヒラヒラ・・・

蝶の形をした白い紙が、橙梓の人差し指にちょこんと止まる。
そして、その紙は一枚の面に姿を変えた。


「そっか・・・じゃ、迎えに行き易いな(笑)」


妖の森にあるバーで飲んでいた橙梓。その手紙を受け取るとニコニコ笑いながら「マスタ~!コレ、もう一杯(笑)」とグラスを少し挙げて注文していた。そんな時、バーの扉が開く。


「あっ!橙梓さん!」
「あっ、遊佐君!おつかれ~!!」


やってきたのは、遊佐だった。彼は、橙梓の横に座るとすぐさま酒を頼んだ。

「朱桜がね~。人間のお宅にお世話になってるんだって。友達の月見ちゃんが怪我しちゃって、仲間のこと一緒にお邪魔してるって。」
「どこのお宅っすか?」

「え~っと・・・ココ(笑)」

そういいながら、橙梓は蒼の情報を遊佐に渡す。その情報を見た瞬間、遊佐の口が塞がらなくなってしまった。