そんな私の背中を押してくれたのは、薫とお兄ちゃん。

私の真尋くんに対する気持ちを知っている薫は、
「私は気にしなくていいから。
せっかく誘われたんだから、佐藤さんと観に行ってきな。
デート、楽しんできて」
と言ってくれた。

お兄ちゃんも、なぜか私の気持ちを知っているようで、
「せっかくのバレンタインに、真尋のデートの誘い無駄にするなよ。あいつモテるから、誘われることはたくさんあるけど、自分から誘ったのははじめて見たから」
と言われた。

そんな二人に私が出来ることは、「分かった」と頷くこと。