放課後、中野さんと一緒に帰る薫。
今の私は、薫がいないと一人だ。
だからそのまま一人で帰り、後から薫の家に合流する。

家について着替えると、昨日作り過ぎてしまったクッキーをタッパーに入れ、薫の家へ向かった。

ピンポ~ン、とチャイムを鳴らすも、勝手知ったる薫の家。
扉を開け玄関に入ると、靴を揃えて2Fの薫の部屋へ向かう。
ノックしてドアを開けると薫と中野さんがいた。

「千夏、早かったね」
と薫。

「本当に家近いんだね。着替えたのに早い!」
と中野さん。

2人はココアを飲みながら話をしていた。
私の分もある。
私はクッキーの入ったタッパーを出して、話に加わった。
最初は他愛ない学校のことを話題にしていたが、球技大会へと話の内容を変えたのは中野さんだ。