それからしばらくは色んな模擬店を見て回り、文化祭を楽しんだ。
12時近くには、ヤキソバとタコ焼きとから揚げを買った。
あとで千夏と食べるように…

そうして約束の1時が近づいて、また千夏たちの教室に行った。

クレープ屋の入り口に立った途端、
「ねぇ、あの2人素敵じゃない」
「ホント!大人っぽいし、大学生かな?」
「背も高いよね」
「誰が探しているのかなぁ?」
「声かけてみようか?」

そんな声が聞こえた。

千夏と薫ちゃんにも聞こえたのだろう…
2人がこちらを見た。そして目が合うと、「よっ!」と手を挙げて合図をした。

教室内の視線が、俺たちに集まった。

そんな中、沈黙を破ったのは入り口から聞こえた
「えっ! 真尋兄ちゃん!?」
と言う声だった。