さっさと行ってこよう。

とは思いつつも、どうにも苦手分野だったりするので足が動かない。

うー…だって…行きたくないなぁ…

つい頭が下がり、足元を見る。

すると、砂利に埋もれている何かが光った。

「…え、何だろう」

ひょっとしたらパワースポット目当ての観光客が何か落としていったんだろうか。

まったくもう、非常識なんだから。

かがんで光るものをつまみあげる。

それは石だった。

ちょうど親指とピッタリ重なるんじゃないか、くらいの大きさで、優しいピンク色をしている。

ひんやりとしていて気持ちがいい。

そっと掌で包む。

すると、急に石が熱くなった。

「あ、熱っ?!」

慌てて石を放り投げると石が光り、思わず目をかたく瞑る。