遠くでまだかいくんたちがきゃーきゃーやってる。

なぜか、慎也は夏美をおんぶしてた。

それを見ててなんかいいなぁって思ってたら、

「してほしいの?」

えっ?優成?

「別に。」

「強がんなって。乗れよ。」

そういってベンチに座ってるあたしの前に背を見けてしゃがむ。

「ほんと、重いからいいよ。」

「ばか。早く乗れって。」

ば、ばかじゃないもん。

そう思いながら。

でも、ずっと閉じ込めてた想いが溢れて。

優成の背中に飛び込んだ。

「うわっ!あっぶねぇな」

「だから重いっていったじゃん。」

「重くねぇよ。てか勢い(笑)」

「こちょこちょのお返し。(笑)」
 
密着する優成の大きな背中。
優成の顔の横にちょこんとあたしも顔をのせる。

スッキリした目鼻立ちの横顔。

かっこいいなぁ。なんておもって見とれてた。


「優成。」

「ん?」


「、、、、、なんでもない。」


「なんだ、それ。」

空の色が赤くなる頃

あたしはきめた。



優成のこと、諦めない。