ある帰り道いつものように六人で一緒に帰っていた。

その日はちょうどテスト期間中で学校が早く終わったので

親にも言わず遊びに行こうとやくそくしていた。

萪李くん が急に

「水風船しよーよー!」
とか
言いだして

変態男子共は、あたしたちの透けてる下着でもみたいんでしょ。笑


「嫌だーぁ」

なんて言いながらも水風船を買いに行き、

気づいたら手には水風船。

そしてそれは始まった。

水風船こちょこちょ地獄。

女子はあたし含め三人ともこちょこちょが異常に効く。

それをいいことにがんがんこちょこちょしてくる。

一対一の激闘!

あたしは優成に
夏美は慎也に
鈴那はかいくんに。


優成に腕を掴まれてぐいっと引き寄せられる。

そして首の後ろから手を回して

耳元で
「こちょこちょか水風船。どっちがいい?。」

心臓がバクバクした。

あんな近くて聞いたことなかった。

部活で焼けたたくましい腕も、

だいすきだった優成の柔軟剤のニオイも

引き締まった胸も。


抱き寄せてくれたの初めてだった。


やっぱりまだ好きなんだ。

優成のこと。

「どっちも嫌(笑)」

そういったのは嫌って言ったら、ずっとこうしていられるから。

「じゃあどっちもしてやるよ、(笑)」

っていってもう、わけわかんないぐらい。

びっしょびしょになった。

でも楽しくってしかたなかった。

ベンチに座ってひなたぼっこ。

隣にはつかれた顔した優成。

見とれてたらこっちを見て
ふにぃぃって笑った。

その笑顔。大好き。

「大丈夫だったか?風邪引くなよ?」


「あれだけやっといていまさら(笑)?」

「ごめんて。(笑)」


こんな会話したかったんだ。

ずっと喋れなくて辛かった。