彼女の個室はもう一階上にある
というので階段でわかれる。

彼女が私を見送って
立ち止まっていたので
シッシッと手で
早く上に行きなさいって促す。

パチンと何かにはじかれたみたいに
階段を上がる彼女
ちっちゃくて可愛いなぁ
素直だし。
なんか、ちょっとウキウキしちゃって
自分の個室に戻ってきた。
まだ、タシーはかえって来てなかった

静かに流れる音楽は
演者を少しずつ入れ替えながら
まだまだ続いている。

そしてやってくる後悔・・・
あーあーあの子が
残ったらやっかいだなぁ・・・
なんて弱気になりそうな
自分をさっきの自分の言葉が励ます

何のためにここにいるの!
やってみるまで分からない!
とにかく確実に好感度を
上げていくしかないのよ。

負けていられるものですか!
今度こそ本命なんだから・・・

そう気合を入れなおしたところで
「姫、準備できました」
とタシーが帰ってきた。
私は笑顔でうなずき劇場を後にした。