謁見の間に案内されて
ベルと私は王の待つ玉座へ向かって
赤い絨毯の上を歩く。

王の前に立ち、
恭しく頭を立てれ
「この度は・・・」
と始めようとしたところで
王から静止がかかった。

「堅苦しいのは無にしましょう」
そういって王が笑った。

その目じりに出来る皺が
アル王子とそっくりで、
あぁ親子なんだって思う。

この部屋には、
王と王妃とアル王子しかおらず、
確かに通常の謁見であれば
横には騎士や執事などが
並ぶはずなのだが

そうなっていないという事は、
最初からこれを
想定されていたのだろう。