私は、急いで魔術師塔の庭園に戻った
置いてきてしまった
バスケットを回収するためだった。


・・・・間の悪い・・・


そうとしか・・・・
言いようがなかった

思い返すと、おぜん立てされて
夜這いをかけた夜、
あの部屋に幼馴染の姫が来たように・・・
愛の誓いの瞬間に
彼の子を身ごもった
妊婦さんが現れたように・・・
海辺で足がつって
それを介抱してもらってただけなのに
『この泥棒猫!』と
ひっぱたかれたように・・・

なんで、このタイミングってところで
見つかってしまう・・・

そんな私が壁から顔を出したジフェルと
目が会ったのは・・・

もう、間の悪い人生の集大成なのか
・・・そうとしか思えない絶妙な間だった。

まずい!!と思った瞬間・・・
突然、立ちくらみに襲われ、
意識は、刈り取られるように
突然闇に飲まれた。