昼食のバスケットを放置して
ジフェルがいなくなったのを確認して、
走って自室に戻る。

今、ラル王子は会議の場にいるか
調査の指揮をとっているかだろう。

どっちにしろ
極秘で動いているだろうから、
居場所がわかるわけない

ましてや、無関係の他国の姫に
その場所が漏れるわけもない。

でも、ハトナなら・・・

私には秘密でも、内部のモノは
王子の場所を知っているかもしれない。

そう思って手紙を書く、
内容だけのメモに近いもの。
それをハトナに渡して頼む

「大至急これをラル王子に渡して」

真剣にお願いする。
ここで理由を聞かれたらどうしよう
・・・なんて思わなかった。
ハトナは当たり前のようにうなずいて。

「大至急承りました。」
そう言って部屋をでていったから。