しばらく行くと
森が一段と深く暗くなっている

でも、けもの道のような通路が
微かに見つけられた

よし、あってる!
そう思って先に進もうとしたその時

それはもう、
すぐ後ろというか耳元

「なにをしている」

低くかすれたその声は
発した音の息が耳にかかるほど近い

警戒態勢からの条件反射で
飛び退きざまに側転で距離を取り
ナイフを構える

しかし、相手の方が先行有利だった・・・
構えたナイフは
相手から繰り出された
光る鞭のようなものに
絡められて奪われる。

さらに、足首を伝って膝下まで
一気に下生えの草が生き物のように
絡みついて身動きを封じられた。