何に負けたか解らないけどとにかく悔しい。

 雅史は閉じられたドアを見つめ、大きく息を吸い込んだ。

「くそホモバーカ!」

「てめえ犯(や)られたいか!」

 すかさず扉を開いて脱兎のごとく逃げていく背中に怒鳴った。

「くそガキめ」

 ここは最上階(ペントハウス)、追いかければ充分に追いつく。

 しかし捕まえた所で馬鹿馬鹿しいだけだ。

 泉は勢いよく扉を閉めてウイスキーを求めキッチンに向かった。




 END


※作中に登場した一部の団体名や社名、武器関係などは一部創作に基づく物で実際のものとは関係ありません。