エスプレッソを傾けるベリルを見つめて同じくカフェオレを口に含む。

 こうしている間もベリルをどう攻略しようかと思案していた。

 これほどまでに強固な牙城は崩し甲斐があるというものだ。

 強固であればある程、燃えてくる。

 しかし、相手は永久に二十五歳のままであり、年齢的にも体力的にも泉には若干の焦りがある。

「体の相性はいいと思──」

 ギロリと睨まれて言葉を切る。

 だからといってそう簡単に落とせるはずもなく、結局は何も出来ずに帰国した。