Blow of wolf-狼の一撃-

 それを聞いたアラノはいぶかしげな顔で男を見つめる。

 ここまでにしてきた場所を手放すのは惜しいが、確かに命あっての物種だ。

 しばらく画面を見つつ思案して、

「行くぞ」

 取り巻きたち数人を引き連れてモニタ室から出て行った。

 それを見送った男は、誰もいない部屋で画面に映し出されている人物に口角を吊り上げる。