──一方、建物内にいる親玉とその取り巻きは、監視カメラの映像を食い入るように見つめていた。 「命知らずがいたとはな」 あごひげを蓄えた五十代ほどの男がつぶやく。 男は今まで一度も攻撃を受けたことがないこの場所に絶対の自信を持っていた。 それだけの費用をつぎ込み武器と人員を揃えてきたのだ、簡単に陥落させられてたまるものか。 「どうせすぐに退却するさ」 取り巻きの一人が不適に笑う。 浅黒い肌に硬い髪、何かを含んだ瞳は漆黒だ。