「よ、よろしく」

 青年は照れながら握手を求めた。

 その手をベリルが握り返すと、思っていたよりも柔らかい感触にサムの口元が緩んだ。

「若いな」

「ああ、ついこないだ傭兵になったばかりだ」

「そうか。あまり意気込まずに」

「は、はい!」

 サムは遠ざかる背中をじっと見つめて顔をほころばせた。

「爆薬は」

 泉はテーブルの上にある資料を見ているベリルに問いかけた。

「C-4(シーフォー)がおよそ百キログラム」

「まずまずか。マーカーは」

「付いていない」

「そんなものどこから仕入れた」

 口笛を吹きつつ目を眇める。